第 七十四 段
(重なる山)
むかし、男、女をいたう怨みて、
岩根ふみかさなる山にはあらねど
逢はぬ日おほく恋ひわたるかな
私達の間に立ちはだかるのは、岩根を踏んで行くような、 重なる山ではないけれど
私に逢って下さらない日が多く、恋しく思い続けるのです
語 句
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狩使本
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