異 一 段 【A】


 雨のいみじう降り暮らして、努めてもうなほいみじう降るに、ある人のがりやりし。
  降り暮らし暮らしつる雨の音をつれ
   亡き人の心ともがな
返し、
  ややもせば風に従ふ雨の音を
   絶えぬ心にかけずもあらなむ

        (阿波文庫本)

降りつづけ降る雨の音のように、 訪れつづけるのが、
 情けのない冷たいあなたの心であってくれればいいのですが
どうかすると、風によって雨の音は変わりますが
 その雨の音を、たえず変わらない私の心に、引きかけないでほしいのですよ



語 句


  異本 狩使本  
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現代語訳
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