第百三段
(
藤の花
)
…泉州本
〜
定家本
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第百一段
真名本
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第段
通具本
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第段
阿波文庫
本
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第百一段
為氏本・一誠堂
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第段
塗籠本
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第段
泉州本
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第段
為氏本・大島
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第段
為家本・参考
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第段
…
第段
為相本・天理
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第段
小式部内侍本
…
第段
むかし、左兵衛督なりける在原のゆきひらといふありけり。その人の家によきさけありときゝて、うへにありける左中弁ふぢはらのまさちかといふをなむ、まらうどざねにて、その日はあるじまうけしたりける。なさけある人にて、かめに花をさせり。その花のなかに、あやしき藤の花ありけり。花のしなひ三尺六寸ばかりなむありける。それを題に
あるじのはらからなる、あるじし給ふとききてきたりければ、とらへてよませ
られ
ける。もとより哥のことはしらざりければ、すまひけれど、しゐひてよませければ
、
さく花の
かけ
にかくるゝ人
おほみ
ありしにまさる藤のかげかも
「などかくしもよむ」といひければ、「おほきおとどの栄花のさかりにみまそかりて、藤氏のことに栄さかるをおもひてよめる」となんいひける。みな人そしらずになりけ
る
。
大きおとどは忠仁公ふぢ原のさかゆることはこのおとゞのことなり。
咲く花の下に、隠れる人が多いので
前よりずっとすばらしい、藤の陰であることです
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