第百四段世の憂きこと
  
…泉州本

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泉州本 第段   為氏本・大島 第段   為家本・参考 第段
第段   為相本・天理 第段   小式部内侍本 第段

 むかし、おとこありけり。哥はよまざりけれど、世のなかをおもひしりたりけり。あてなる女 あまになりて、世の中をおもひそむきて京にもあらず、はるかなる山ざとにすみけり。もとしむぞくなりければ、よみてやりける。

 そむくとてくもにはのらぬものなれど
  よのうき事ぞよそになるてふ


となむいひやりる。斎宮の宮なり。


 世に背を向けたといって、仙人のように雲には乗らなないけれど
  世間の嫌なことは、関係のないことになるといいます

      

語 句


現代語訳
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