八十五さらぬ別れ
 ・・・阿波国文庫本

定家本 第八十四段

 むかし、をとこありけり。みはいやしながら、はゝはみこなりけり。そのはゝながをかといふところにすみたまひけり。こは、きやうにみやづかへしければ、まうづとしけれど、しばしばえまうでず。ひとつごさへありければ、いとかなしうし給ひけり。さるに、しはすばかりに、とみの事とて、御ふみあり。おどろきてみれば、うたあり。
 おいぬれば さらぬわかれの ありといへば
  いよいよみまく ほしききみかな

かのこ、いといたううちなきてよめる。
 よのなかに さらぬわかれの なくもがな
  ちよもとなげく 人のこのため


   年老いたならば、どうしても避けられぬ別れがあるということですから

      ますますお目にかかりたいと思います、愛しい我が子よ


   世の中に、避けられない別れなんかないほうがいい

     長寿をと嘆く、人の子のために


語 句


現代語訳
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