第百三十二段
(虫の音)
・・・阿波国文庫本
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異本章段
…
異十四段【N】
むかし、ものおもふをとこ、めをさまして、とのかたを見いだしてふしたるに、前ざいのなかに、むしのこゑごゑなきければ、
かしがまし のもせにすだく むしのねや
われだにものは いはでこそおもへ
やかましいものだ。野原一杯に集まって鳴く虫の音よ
私だってものも言わずにじっと耐えているのだから、もっと思いやってくれてもいいものを
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