第二十七段（たらひの影）
　　…泉州本
〜 定家本 … 第二十七段 　 真名本 … 第段 　 通具本 … 第段
阿波文庫本 … 第二十七段 　 為氏本・一誠堂 … 第段 　 塗籠本 … 第段
泉州本 … 第段 　 為氏本・大島 … 第段 　 為家本・参考 … 第段
… 第段 　 為相本・天理 … 第段 　 小式部内侍本 … 第段
　むかしおとこ、おんなのもとにひとよいきて、またもいかずなりにければ、女のおやはらたちててあらふところに、ぬきすをうちやりて、たらひの水のかげにみえけるを、　
　　わればかり物おもふ人はまたもあらじと
　　　おもへばみづのしたにもありけり
とよむを、かのこざりけるおとこ、たちきゝて、
　みなくちに我やみゆらんかはづさへ
　　　みづのしたにてもろこゑになく
私くらい、悲しい思いをしている人は、他にいないだろうと思っていたのに
　なんと水の下に、もう一人いたのでした

水口に私が見えるでしょうか、蛙でさえ
　水の下で声を合わせて、鳴くのですよ


語　句

現代語訳
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