第百六段賀茂の祭
  
…泉州本

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第段   為相本・天理 第段   小式部内侍本 第段

  むかし、ことなる事なくてあまになれりける人ありけり。かたちをやつしたけれど、物やゆかしかりけん、かものまつりみにいでたりけるを、をとこ哥よみてやる。

 よをうみのあまとし人をみるからに
   めくはせよともたのまるゝかな


これは、斎宮の物みたまひける に、かくきこえたりければ、み
さしてかへりたまひにけりとなむ。


 世を疎んで尼となったあなたを、海の海女と見るからには
  海藻を食わせよとも、目くばせせよとも、あなたの恋の心をあてにしてしまいま

      

語 句


現代語訳
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