第百七段
(
賀茂の祭
)
・・・阿波国文庫本
~
定家本
…
第百四段
昔、ことなることなくて、あまになれる人ありけり。かたちをやつしたけれど、ものやゆかしかりけん、かものまつりみにいでた
つ
を、をとこうたよみて
やれけり
。
よをうみの あまとし人を 見
ながら
に
めくはせよとも たのまるゝかな
これは、斎宮の物見たまひける車に、かくきこえたりければ、見さしてかへりたまひにけりとなん。
(薄字:底本脱落?)
世を疎んで尼となったあなたを、海の海女と、眺めながら
海藻を食わせよとも、目くばせせよとも、あなたの恋の心をあてにしてしまいま
す
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