異 七 段 【G】


 昔、男、奈良の京に、あひ知りたりける人とぶらひに行きけるに、友だちのもとには消息をして、文をやらざりける人に、
  春の日の至り至らぬことはあらじ
   咲ける咲かざる花の見ゆらむ

              
(泉州本)

 春の日が照ったり照らなかったりすることはないでしょうに
  どうして咲いたり咲かなかったりする花があなたに見えるのでしょうか。

 (昔、春日の里であなたにお渡しした狩衣の端のように、
  私の訪問を咲く花のようにお迎え下さいな)

 

語 句


  異本 狩使本  
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現代語訳
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