第 百十九 段 (かたみ)


 むかし、女、あだなる男のかたみとて、置きたるものどもを見て、
  かたみこそ今はあだなくこれなくは
   忘れるゝ時もあらまほしきものを



この形見の品々こそ、今はかえって苦しめるのです
 これさえなければ、あの人を忘れる時が、あるかも知れないものを
      

語 句


  定家本 狩使本   在原業平 藤原高子 伊勢斎宮 東下り
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現代語訳
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