第 百二十 段 (筑摩の祭)


 むかし、男、女のまだ世へずと覚えたるが、人の御もとにしのびてもの聞えてのち、ほどへて、
  近江なる筑摩の祭とくせなむ
   つれなき人の鍋のかず見む



近江にある筑摩神社のお祭りを、はやくしてもらいたいものです
 私には素知らぬ顔の、冷たいあなたが被る、鍋の数を見てみたいからです
        

語 句


  定家本 狩使本   在原業平 藤原高子 伊勢斎宮 東下り
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前の段 前段(百十九)
現代語訳
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