第 百十八 段 (絶えぬ心)


  むかし、男、久しく音もせで、「わするゝ心もなし。まゐり来む」といへりければ、
  
玉葛はふ木あまたになりぬれば
    絶えぬこころのうれしげもなし



玉かづらが這いまわる木が沢山にあるように、あなたが通うところが沢山あるので
 絶えない気持ちと、おっしゃるあなたの心が、私にはちっとも嬉しくありません
      

語 句


  定家本 狩使本   在原業平 藤原高子 伊勢斎宮 東下り
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現代語訳
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