三十八恋といふ
 ・・・阿波国文庫本

定家本 第三十八段

 むかし、きのありつね、ものゆきておそくかへりけるに、よみてやりける。
  きみにより おもひならひぬ よのなかの
   ひとはこれをや こひといふらん

かへし、
  ならはねば よのひとごとに なにをかも
   こひとはいふと とひしわれしも


  あなたによって、教えてもらいました
    世間の人は、こんな気持ちを、恋というのでしょう
  経験がないので、世間の人たちが一体何をさして
    恋というのかとあなたに尋ねたことがあるのに、私が教えたとは


語 句


現代語訳
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