第百六段
(
寝ぬる夜
)
・・・阿波国文庫本
〜
定家本
…
第百三段
むかし、をとこありけり。
そのをとこ、
いとまめ
にて
、あだなるこゝろなかりけり。ふかくさの御門になんつかうまつりける。心あやまりやしたりけむ、みこたちのつかひた
まひける
を、あひ
侍りけり
。さて、
あしたによみてやれりけり
。
ねぬる夜の ゆめをはかなみ まどろめば
いやはかなにも なりまさるかな
■
供寝した夜の夢があまりにもあっけないので、もっとハッキリと見たいとまどろんでみたら
いよいよその夢は、あっけないものになってしまいましたす
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