第102段(玉くしげ)
  
泉州

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異段 異8段【H】   真名本 第段   通具本 第段
阿波文庫本 ―――   為氏本・一誠堂 第段   塗籠本 第段

 昔、男が初めて裳を着た女を心にかけて、歌を詠んで贈った。

  
あまたあらばさしはするとも玉くしげ
   あけむ折々思ひいでなむ

     沢山お持ちになっているかんざしを、お挿しになることもあるでしょうが
      くし箱を開ける時にはいつも、お贈りしたこのかんざしを見て私を思いだして下さい

(泉州本)


原 文
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