第五十段(あだくらべ)
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鳥の卵を、十ずつ十回重ねられても 女の心を どうして信用できようか、できるはずもない |
はかない朝露は、消え残ることはあるかも知れません でももっとはかない二人の仲は、一体誰が頼りにすることができるでしょうか |
もし、吹く風に、去年の桜は散らなかったとしても 絶対頼りにならないものですよ、女心というものは |
流れ行く水に、数を書くよりもあてにならないものは 愛してくれない男を愛することよ |
流れ行く水と、過ぎ去る年齢と、散る花と 一体どれが待てという言葉を、聞いているのだろう |
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