第105段
(
寝ぬる夜
)
…泉州本
〜
定家本
…
第103段
真名本
…
第段
通具本
…
第段
阿波文庫
本
…
第106段
為氏本・一誠堂
…
第段
塗籠本
…
第段
昔、男がいたの。とても真面目で実直で、浮気をしようというような心はなかったわ。深草の帝にお仕えしていた。でも、心のバランスがくずれたのかしら、親王たちが使っておられた人と深い関係になってしまったのよ。そうして、
寝ぬる夜の夢をはかなみまどろめば
いやはかなにもなりまさるかな
供寝した夜の夢が、あまりにもあっけないので、もっとハッキリと見たいと、まどろんでみたら
いよいよその夢は、あっけないものになってしまいました
と詠んで贈ったんだって。そんな歌本当に見苦しいわ。
原 文
解 説
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