3.宇宙の誕生以前
 この宇宙の誕生する以前はどのような世界だったのでしょうか。もし、神様が宇宙を創ったのなら、物質ではない意思のようなものがあり、時間は存在していたはずですから、時間と空間とは全く別に誕生したことになってしまいます。それとも、宇宙卵が1個だけどこかに存在していたのでしょうか・・・・・・
 結論から言うと、現在の物理学では、宇宙は無から誕生したとされています。無から有が生まれる? 2進数というデジタルの論理では、論理値は0もしくは1以外にはあり得ません。でなくてもある朝起きたら、突然ムカデのような大きな虫に変身していたなんてのは信じがたいことです。しかし、現代の物理学である量子力学は確率の論理学です。この無から有の出現は完全な答えはまだ見つかっていませんが、方向は正しいのです。・・・・・・無の世界は、いくら眺めてみても塵一つ落ちていません。しかしよく見ると、原子よりもっともっと小さい世界で極めて短い時間には宇宙の素がパッと現れたりフッと消えたりしているのです。これは量子論の不確定性原理からの考え方で、量子的ゆらぎといいます。もう少し長い時間で見ると、このゆらぎは波にも見えますので、粒子性と波動性を併せ持つことがわかります。
 つまり超ミクロ宇宙が無から、無と有の間の障壁に染み込み、有の世界にパッと表れるという、トンネル効果で出現するのです。まるで『不思議の国のアリス』の中の、頭部だけを残して体だけを消したり、自由に体を消せる神出鬼没のニヤニヤ笑いのチェシャー猫のようです。

 本来なら、無から有への壁を乗り越えるにはある程度のエネルギーが必要です。井戸の水が飲みたければ釣瓶で汲み上げなくてはなりません。コップの水を外に出すにはコップを傾けなければなりません。しかし無にもゼロ点エネルギーがあるというのが量子論の考え方です。でもこうして生まれたミクロ宇宙のほとんどはすぐ消えてしまいます。



  さあ、いよいよビッグバンによる宇宙の誕生と行きたいところですが、その前に人類が描いていた「宇宙観」の歴史を次回は紐解いてみましょう。

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