第五十二段( かざり粽)


 むかし、男ありけり。人のもとより、かざり粽おこせたりける返り事に、
 菖蒲刈り君は沼にぞまどひける
  我は野に出でてかるぞわびしき

とて、雉子をなむやりける。

菖蒲刈りに、あなたは沼で大変苦労なさったのですね
 私は野に出て狩りをしていたので、がっかりでしたね
        

語 句


  定家本 狩使本   在原業平 藤原高子 伊勢斎宮 東下り
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前の段 前段(五十一)
現代語訳
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