第 三十四 段
(つれなかりける人)
むかし、男、つれなかりける人のもとに、
いへばえにいはねば胸に騒がれて
心ひとつに嘆くころかな
おもなくていへるなるべし
。
言おうとするほど言えず、でも言わなければ胸の中が騒いで
私の心の中だけで嘆く日が続いています
語 句
定家本
狩使本
在原業平
藤原高子
伊勢斎宮
東下り
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