異 十九 段 【S・ 異本終段 】  


 昔、男、来て帰るに、秋の夜も虚しく覚へければ、
  秋の夜も名のみなりけりあふと逢へば
   ことぞともなく明けぬるものを

               (阿波文庫本)


長い秋の夜も、ただ名ばかりのものでした
 逢っているときには、これということもなく明けてしまうものですが
            

語 句


  異本 狩使本  
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