異 十一 段 【K】
昔、男、すゞろなる所にゆきて、夜を明けてかへりけるを、人々いひさわぎければ、
月しあれば明けむものとは知らずして
夜ぶかく来しを人見けむかも
(泉州本)
月が出ていたから、もう夜が明けるとは知らないで、
まだ夜中のつもりで帰って来た私を、人が見たのかもしれないな
語 句
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