異 二 段 【B】


 昔、女を盗みてゆく道に、水のある所にて、「飲まむや」と問ふに、うなづきければ、坏なども具せざりければ、手に結びてくはす。さて登りにければ、もとの所にかへゆくに、かの水飲みし所にて、
  大原やせがゐの水を結びつつ
   あくやと問ひし人はいづらは

といひて消えにけり。あはれあはれ。
            (阿波文庫本) 


大原の清和井の水を結んだ手で飲ませながら
 「もういいですか」とたずねたあの人は、今はどこに行ったのだろう



語 句


  異本 狩使本  
次の段 次段(異三) 次段(異三)
前の段 前段(異一) 前段(百十六)
現代語訳
原文のホーム
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送