第十五 段
(しのぶ山)
むかし、陸奥の国にて、なでふ事なき人のめに通ひけるに、あやしうさやうにてあるべき女ともあらず見えければ、
しのぶ山しのびて通ふ道もがな
人の心の奥も見るべく
女かぎりなくめでたしと思へど、さるさがなきえびすごゝろを見ては、いかゞはせむは。
しのぶ山の名のとおり、忍んであなたのもとに通う道があったらいいのだが
あなたの心の奥底をも見るために
語 句
定家本
狩使本
在原業平
藤原高子
伊勢斎宮
東下り
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次段(十六)
終
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前段(十四)
前段(十四)
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