第 百十二 段
(須磨のあま)
むかし、男、ねむごろにいひ契れる女の、ことざまになりにければ、
須磨のあまの塩焼く煙風をいたみ
思はぬ方にたなびきにけり
須磨の海人が、
塩を焼く煙
は、あまりにも風が激しいので
思ってもいない方向に、流れてしまいました
語 句
定家本
狩使本
在原業平
藤原高子
伊勢斎宮
東下り
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