第九十八段（梅の造り枝）
　・・・阿波国文庫本
〜 定家本 … 第九十八段
　　むかし、おほきおとヾときこゆるおはしけり。つかうまつるをとこ、なが月ばかりに、さくらのつくりえだにきじをつけて、たてまつるとて、
　わがたのむ きみがためにと をりつれば
　　ときしもまたぬ ものにぞありける
とよみてたてまつりたりければ、いとかしこくおかしがりたまひて、つかひにろくたまへりけり。
　


　　　私がお頼りにしている、あなた様のためにと、折るならば

　　　　　時も待たないで、こんな季節に咲いていますので


語　句

現代語訳
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