第
九十二
段
(
棚なし小舟
)
・・・阿波国文庫本
〜
定家本
…
第九十二段
むかし、こひしさにきつゝつかへれど、をんなにせうそこ
も
せでよめる。
あしべこぐ たなゝしをぶね いくそたび
ゆきかへるらん しるひともなみ
葦の水辺を漕ぐ、
棚なし小舟
は、一体何回
行ったり帰ったりするのだろう、それに気づく人もいない
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