第六十四段
(
玉簾
)
・・・阿波国文庫本
〜
定家本
…
第六十四段
むかし、をとこ、
をんな、
みそかにかたらふわざもせざりせば、いづくなりけん、あやしさによめる。
ふくかぜに わが身みをなさば たますだれ
ひまもとめつゝ いるべきものを
かえし、
とりとめぬ かぜにはありとも たますだれ
たがゆるさばか ひまもとむべき
吹く風に、もしも私を変えことができるなら
玉すだれのすき間を探し出して、入ることができるのに
手に捕らえられない、風であっても
玉すだれのすき間を、一体誰の許しで、探し出せるのでしょ
うか
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