第二十九段
(
花の賀
)
・・・阿波国文庫本
〜
定家本
…
第二十九段
むかし、春宮の女御の御かたのはなの
えん
に、めし
あつめられ
たりけるに、
はなにあかぬ なげきはいつも せしかども
けふのこよひに にるをりはなし
花をいくら眺めても、飽き足りないという、嘆きをいつもしたけれど
今日の今夜と、同じ思いをした時はありません
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