第二十一段(思ふかひなき世)
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〜 | 定家本 | … | 第二十一段 | ||||||||||
家を出ていったら、軽薄な人だと言うだろうか 二人の仲がどんなふうなのか、人は知らないのだから |
愛した甲斐もない二人の仲だったよ。この長い年月をいいかげんな気持ちで、 私は共に過ごしてきただろうか |
さあ、あの女はどうなんだろうか、私の事を思っているだろうか 私にはあの女の美しい面影だけを、何度も何度も見ているのだろう |
もうこれっきりよと、私を忘れる草の種だけでも あなたの心に、蒔かせたくはないものです |
私を忘れる草を、植えるとでも聞いたならば 私を忘れないでいたのだと、知りもしように |
あなたが私を忘れているのだろうと思うと 心の疑いのために、前よりもずっとずっと物悲しい |
大空の真ん中に広がっていた雲も、いずれ跡形なく消え去るように わが身は取るに足りないものになってしまった。 |
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