第百四段浪こす岩
 ・・・阿波国文庫本

定家本 第百八段

 むかし、をんな、ひとのこゝろをうらみて、
  風ふけば とはになみこす いはなれや
   わがころもでの かわくときなき

と、つねのことぐさにいひけるをきゝおもひけるをとこ、
  よひごとに かはずのあまた なくたには
   みづこそまされ あめはふらねど

    

   風が吹くと、いつも波が越す岩なのでしょうか

      わたしの袖は、乾く間もございません
   毎夜毎夜、蛙が沢山鳴く田んぼには、

      雨は降らないのに、蛙の涙で水かさが増えます 


語 句


現代語訳
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