異 16 段 【 P 】
昔、歌の好きな者たちが集って歌を詠んだときに、
「かわたけ」
を、ある男が詠んだ。
小夜ふけてなかばゆく久かたの
月吹きかへせ秋の山風
夜がふけて、空の半ばを過ぎて行く月を
もとに吹き返しておくれ、秋の山風
よ
(泉州本 )
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