第89段
(
なき名
)
・・・阿波国文庫本
〜
定家本
…
第89段
昔、身分の低くない男が、自分より
も
身分の高い女性に思いを寄せて、年月が過ぎた。
人知れずわ
が
恋ひ死なばあぢきなく
何れの神になき名をおほせむ
このまま私が人に知られずに
私の恋が
死んだならば、何とも仕方のないことだが
どちらの神様に、無実の罪名を負わせようか
原 文
解 説
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