第70段あまの釣船
 ・・・阿波国文庫本

定家本 第70段

 昔、男が狩りの使いから京に帰って来る途中に、大淀の渡りに泊まって、斎宮に仕える女の子に歌を詠みかけた。

 
みるめなきかたやいづこぞ棹さして
  われに教へよあまの釣舟

     ミルメいや見る目がありませんよ、その潟はどこにあるのですか、方角を舟の棹でさして
       私に教えて下さいな、海人の釣り舟よ



原 文         解 説


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