第130段(ことぞともなく)
 ・・・阿波国文庫本

異本章段 異19段【S】

  昔、男が女の所に来て帰るときに、秋の長い夜もあっという間に過ぎてしまって、むなしいものと思われたので詠んだ歌。

  
秋の夜も名のみなりけりあふとあへば
   ことぞともなく明けぬるものを

        長い秋の夜も、ただ名ばかりのものでした
          逢っているときには、これということもなく明けてしまうものですが

原 文
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