第122段都島
 ・・・阿波国文庫本

定家本 第115段

 昔、奥州で、男と女が住んでいた。男は、「都に帰ろうと思う」と言う。この女はとても悲しくなった。せめて送別の会だけでも開こうと思って、「おきのいて都島」という所で、男に別れの酒を飲ませて詠んだ。

 
 おきのゐて 身を焼くよりも わびしきは
   都へしまの 別れなりけり

       真っ赤におこした炭火がくっついて、私の体を焼くよりも、やりきれないのは
         都へ行く前の島での、別れなのです
     と詠んだものだから、感動してその夜は女と一夜を過ごしたのだった。



原 文         解 説


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