第121段
(
住吉に行幸
)
・・・阿波国文庫本
〜
定家本
…
第117段
昔、帝が、住吉に行幸をなさった
時に、歌を詠むようお命じになりました。
我見てもひさしくなりぬ住吉の
岸のひめ松いく代へぬらむ
私が前に見てからでも、随分久しくなってしまったよ、この住吉の
岸の美しい松は、一体幾代の時を、過ごしてきたのだろうか
住吉神社のご神体が
お現れ
なさって、
むつまじと きみは
しらずや
みづがきの
ひさしきよより いはひそめてき
私と天皇家とは仲が良いと、あなたは
本当に知らないのでしょうか
、
白波の住吉の神は、
ずっと久しい昔の世から、お祝いはじめています
この事を聞いて、在原業平は、住吉に参詣したついでに、歌を詠んだのだった。
すみよしのきしのひめまつひとならば
いくよかへしととはなしものを
住吉の、岸の小さな姫松で、人を待つのならば
幾世を繰り返したのかと、お尋ねすることはないのになあ
と詠んだので、身なりの良くない翁が、出て座り、感動して歌を返した。
ころもだに ふたつありせば あかはだの
山ひとつは かさまし物を
衣でさえ、もし二つあったなら、丸裸の山の
山の一つ分位は、威厳が増すのになあ
原 文
解 説
ホームに
SEO
掲示板
[PR]
爆速!無料ブログ
無料ホームページ開設
無料ライブ放送