第 5 段


解説

 東の五条に住む女の正体がだんだんはっきりして、想像力をかき立てられる段である。現実にはあり得ないような、外壁の崩落の放置など、文学的に優れている。シンデレラ物語などの成功談とは逆な、破壊的な愛の物語の進展に、昔から多くの読者は胸をときめかしたのであろう。そして次の段で哀れな結末を迎えるのである。


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