第 44 段


解説

 「我さへ」は、あなただけでなく私までもが、の意。「もなく」は、裳に喪をかけたもので、脱いだ裳だでなく悪い喪もなくなるという意。
『古今六帖』(第4・別れ・33203)に、
 「いでてゆく君をいはふとぬぎつれば
  われさへもなくなりにけるかな 」
業平とある。


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