第 25 段
解説
美男美女の小野小町と業平とが、歌の贈答をしたというのは、この段から発生したもので、史実では二人のつき合いはなかったよう。
前の句「秋の野に・・・」は、『古今和歌集』巻一三・恋三・六二二「題知らず 業平の朝臣」として、後の句「みるめなき・・・」は同六二三「題知らず 小野小町」として続いて載っている。古今集に並んでいる業平と小町の歌をひとつにまとめて、贈答歌にしたものである。よって初冠本は、古今集より後に成立したものだとする説の証拠になる。
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