第 114 段


解説

 芹川に行幸したのは八八六年一二月一四日で、業平が死んだのは八八〇年で史実には反する。
 帝が暗に老人呼ばわりされたようで面白くなかったのは、この歌うたいの巧妙な攻撃である。力で負かすことができない相手に、歌で一矢報いたのだ。両者には、微妙なわだかまりが存在したのであろう。  狩衣に書くことは、初段を意識したものか。

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