群論・伊勢物語 第99段

(在原業平要素_2)


 昔、右近の馬場の騎馬の試射のあった日に、向かい側に立ててあった車に、女の顔が下簾からうっすらと見えたので、中将であった男が詠んで送った。

 見ずもあらず見もせぬ人の恋ひしくは
  あやなくけふやながめ暮さむ

        全く見ないのでもなく、はっきり見たのでもない人が恋しくて
        訳もわからずに今日は、物思いにふけながら一日を、過ごすのでしょうか

女の返歌。

 知る知らぬ何かあやなくわきていわむ
  思ひのみこそしるべなりけれ

        知っているとか知っていないとか、何の訳もなく、区別して言えるのでしょうか
        ただ恋しい思いだけが、恋の道標なのですよ


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