【左のおほいまうちぎみ】
左大臣。ここでは、源融(八二二〜
八九五)をさす。嵯峨天皇の第十二
皇子。八七二年八月二十五日に
左大臣になった。六条河原に屋敷
をつくったので河原左大臣といわれ
た。京都市下京区都市町の高瀬川
の辺(五条大橋西の五条小橋派出
所近く)に碑がある。
【菊の花】 菊花は、秋の末に更に色が変わ
って、赤みが増したものを特に
賞美した。「うつろひさかり」。
【おはしまさせて】 おいでになるようにさ
せて。おいで頂いて。
【酒飲みし遊びて】 酒を飲み、詩歌・管弦
の遊びをして。
【かたゐ翁】 乞食しじい。卑しめていった。
業平を暗示する。
【だいしき】 板敷(縁側)の方がふさわしい。
【はひ歩きて】 老人のように、はって歩く。
【塩釜】 宮城県の松島湾内にある名所で、
源融は塩釜の風景を邸内の庭園
にコピーした。この庭園は現在
枳穀園(渉成園・下京区東玉水
町)に一部が移築されている。
【あやし】 不思議に。理解不能。
【みかど】 天皇が治める国家。
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