【おほやけ】 皇居・天皇。ここでは清和天皇
         のこと。
【色ゆるされたる】 禁色を許されて、特別扱
       いであることを示す。衣服の特定
       の色や布地の着用を禁止する事。
       と。天皇・皇族専用の七色は、
       赤・青・黄丹・梔・深紫・深緋・
       深蘇芳。
【大御息所】 帝の生母の女御や更衣のこと。
       清和親王の母は藤原明子(染 
       殿后・文徳天皇の女御・藤原
       良房の娘)。        
【いとこ】  藤原高子(良房の兄・藤原長良
       の娘)。「つかう給ふ女」のこと。
【女方】   女房の控え所。年少なので許され
       た。女湯に出入りされるのと同じ。
【むかひをり】思い込んで、真向かいにじっと
         座る。
【かたは】   不格好。不完全。
【身】     二人の身。
【かへ】    代ふ。逢うことに代えれば。 
【さもあらばあれ】 どうにでもなれ。ええい、
            ままよ。     
【曹司】    宮中の女房の居室。
【里】     宮仕えする女房の自宅。
【何の、よきこと】  かえって良いことだよ。
【主殿司】  宮中内の掃除・灯火・輿など
        を担当する役所の役人。
【沓は・・】 手前に沓があると、朝帰りが
        ばれるので、奥の方に投げ入
        れて宿直したように見せて、
        誤魔化そうとした。
【いたづらになる】 官職を失い、相手をす
            る人もいなくなって、
            無用になってしまう。
【わりなく】  無性に恋しくなる。     
【陰陽師】  占い・地相判断・天文歴数な 
        どの風水を司る。陰陽寮に出 
        仕する。          
【巫】     神を祭り神意を伺う。神和  
        (かみなぎ)の義。     
【祓の具】  祓いの道具。これに罪を移し
        て祓いをして、終わってから
        川に流した。
【けに】     前より一層に。
【御手洗川】 神社の近くを流れ、参拝者が
         手を洗って清める川。賀茂神
         社の脇の小川とするという説
         もある。
【みそぎ】   水を注いで身を清めて、汚れ
         を払うこと。「祓え」。
【この帝】   清和天皇は、姿美しく威厳が
         あるという。
【御心】     ご一心に。心をこめて。
【宿世】    前世からの因縁。
【ほだされて】 束縛されて。この男の情に
          つなぎとめられること。
【聞こしめして】「聞きつける」の尊敬語。
【つかはして】 「おやりになる」、「お与え
          になる」 。
【しほり】    責る。よくしかって、懲ら
         しめる。なじり咎める。
【我から】   「われから」は虫の名前。 
         第五七段既出。      
【人の国】   地方。流罪にされた京以外 
         の国。
【おもしろく】  晴れやかな感動。
【をかしうて】  魅力ある、快い感動。
【あはれ】   深く心を動かされる。   
【それにぞあなる】 笛の音や歌声で、男がい
             と分かること。
【ある】     「ある」は生存している。
         普通に暮らすこと。
【ものゆゑに】   ・・・けれど。・・・なのに。
【見まくほしさに】 女に逢いたい気持ちに。
【水尾】     清和天皇のこと。出家後の隠
         棲地である、京都府水尾山陵
         に御陵がある。
【染殿の后】 清和親王の母・藤原明子(文
         徳天皇の女御・藤原良房の娘)
         のこと。
【五条の后】 藤原順子(文徳天皇の母、仁
         明天皇の皇后)。 

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