止血法
人間の全血液量は、体重60kgの成人では約5g(成人体重の約7〜8%)の血液があります。そのの20%を急速に失うと『出血性ショック』という重い状態になり、急激に30%(
約1.5g
)が出血すると死を招きます。
間接圧迫止血法(指圧法)
出血部より心臓に近い側の太い動脈(脈どころ)を、固い骨に向かって指で強く圧迫する。
四肢の吹き出るような出血(動脈性出血)に有効である。完全止血は難しいが、一時的に出血の勢いを減少させることができる。
第1間接の付け根を圧迫
肘の頭方の、内側に触れる動脈を強く圧迫
鎖骨のくぼみを親指の先で、胸側に強く圧迫
大腿の付け根に触れる動脈を、両親指を重ねて強く圧迫
直接圧迫止血法
出血している傷口に、きれいなガーゼ、ハンカチ等を直接当て片手で圧迫する。多少血が滲み出ても4〜6分で完全に止血できる。静脈性の出血(ジワジワとした出血)や体幹の深い部位からの出血に有効。
大きな血管からの出血の場合は両手で体重を乗せながら圧迫止血をする。
(注意)感染防止のためにビニール袋やゴム手袋などを用いて、血液に直接触れないようにする
手足の場合は、傷口を心臓より高い位置にもってくるのが効果的
止血帯法 (
緊縛
(
きんばく
)
法)
上腕や大腿の四肢太い血管損傷で大出血したとき、でバンダナ・三角巾・タオルのようなもので受傷部を包み、幅3cm以上の広いゴム性の止血帯で、傷部より心臓に近い部分ををしっかりと1回だけ結ぶ。
短い棒をこの結び目の上に置き、布の端をもう一度結んで固定し棒をねじる。
血が止まったら、それ以上ねじらない。縛り方が緩いと深い動脈は止まらないで、表両の静脈だけが
緊縛
(
きんばく
)
されて、かえって出血量が多くなるから注意する。
緊縛を長時間続けると、神経麻痺や筋肉壊死を起こして後遺症を生ずる危険性があるので、2時間以上緊縛を続ける場合は、止血した時間を記録し、
30分毎
に止血帯を1〜2分緩めて血液を再流させた後、再度止血する
(条件)手足が切断された、単独での事故など他の方法を用いても出血が止まらない場合。
(注意)動脈の完全止血はできない。締め付け部分の神経や筋肉が壊死してしまう。
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